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六月に旅に出た。かねて思いを寄せていたハンガリーとプラハ。
初めに泊まったブタペスト。
時差のせいで早朝四時頃目が覚め、カーテンを開けて息を飲んだ。
ドナウ河に臨んだなだらかな平野に広がるペストの街、
まだ夜の明けきらぬほの青暗い街並みのあちこちに濃紺の尖塔が立ち並び、
ゆったり流れるドナウ河に影を落とし、まるでパステル画のようだった。
昼間見ると、よくあるヨーロッパの風景なのだが、翌朝もその夢のような美しさに思わずスケッチした。

次に行った趣のあるプラハの街。
とりわけモルドー河にかかるカレル橋のはちみつ色の美しさは、
何度見入っても飽きなかった。
この街のくぐり抜けてきた数々の苦難の歴史を背負い、
その中で変わらぬ姿を誇っていた。
今、これらの心に焼きついた思い出を、何とか表現できたらと、アトリエサガンでキャンバスにむかっている。
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