Atelier Sagan
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おでかけエッセイ

「どうしてサガンに通うことになったかというと」嶋田正稔(木曜クラス)
(会社での寄稿文より)



「六十の手習い、下手も絵のうち」


 還暦を目前にして第二の人生を迎えることとなった。3年前の6月のことである。これを機に予てからやりたいと考えていたことをはじめようと決心した。その一つが立科に山荘を建てること、二つめが運転免許を敢ること、三つめが好きな絵を描きはじめること、であった。

 立科に土地(但し借地権)を取得したのが平成3年、正にバブルの最盛期、生家が太平洋を望む房総半島の最南端(館山市布良)にあるので、引退したら冬は館山で、暑い夏は立科で生活を、と夢見て購入した。そして足掛3年をかけた山の家が昨年11月漸く完成した。今年の夏は例年にない異常な暑さであったが、お蔭で快適な一週間を過ごすことが出来た。現在の土地の評価は当時の半値、大変高い買い物となったが期待通りの涼しさに大変満足している。

 二つめの運転免許については、取得宣言をした途端、「億えが悪くなっているので時間がかかり、そのうちに先生に見捨てられやめてしまうよ」、「やっと取れても事故を起こして後悔するのが関の山だよ」等々皆から散々言われ最初から意気阻喪し諦めてしまった。そのため以前と同じくこちらの思い通りにならない我家の名ドライバーに頼らざるを得ない状況が続いている。

 三つめの絵を描くことは、長い間の念願であった。先生に見られても恥ずかしくない程度までは独学で勉強しそれから習いに行こうと思い朝日カルチャセンターの通信教育をはじめた。10回作品を送り添削してもらい講評を受ける、というものであったが3回しか続かずそれも毎回催促されてのものであった。しかし、その後も絵を描くことへの情熱は抑えがたく、と言ったらオーバーになるが、ゼミ同期の伊能さんからの強い勧めもあり、この9月より恵比寿駅近くの絵画教室に週1回通いはじめている。

  今のところ皆勤、時間の過ぎるのを忘れるほど熱中している。こんなことならばもっと早く習い始めれば良かったと思っている。絵を習いたいと人にも言いながら、中々実行しないのに絶えず親切に絵をはじめるよう勧め続けてくれた彼女には大変感謝している。今までは人の絵を鑑賞するだけで、色々と勝手な批評をしてきたが、自分ではじめてみて、絵を描くことが如何に難しいものか痛感し、これからは謙虚で控えめな物言いにしようと自戒している。

  完成した作品は2枚のデッサンと1枚の油絵だけだが、合格水準までは到底及ばず、ましてや人にお見せするにはあまりにも拙い絵だと思う。しかし今度こそ「下手も絵のうち」と自らに言い聞かせ頑張ってみようと思っている。(平成14年11月22)


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