Atelier Sagan
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高橋さんの部屋 おでかけエッセイ 展評
おでかけエッセイ
清水エッセイ
 

昨年の夏、バルト3国を訪ねる機会があった。
バルト海の東側に縦に並んでいるリトアニア・ラトビア・エストニアの三国。
一番来たのエストニアの首都タリンから対岸のヘルシンキまでは船でわずか一時間半とのこと。
それぞれちがった文化と言語と宗教を持つ国々なのだが、

三国とも、ロシア・ドイツ等の国々から常に占領され続けるという悲しい歴史を持ち、
十年前にロシアから解放され、始めての自由を獲得したという点で共通している。
そして、それぞれの首都にある旧市街がそろって世界遺産に登録されているのだが、
私がこれまでに訪ねた南仏やスペインの中世の旧市街とは一寸、
趣を異にして、北欧らしい素朴さと単純さが感じられる街並みだった。現在内部を改築して、ホテル等になっている。


 

何はとも、印象的だったのは、各国で案内に来てくれたガイドさん達が、
皆一生懸命に日本語を話し、この十年間の自由を心から喜んで、活気に満ちていた。
そしてその言動の端端に占領国であったロシアへの”うらみ”うかがえる。

リトアニアでは例のユダヤ人へのビザ発給で有名になった杉原千畝氏の財団のお世話をしていますという方が来てくださったが、
彼のお兄さんは占領下に禁止されていた母国語リトアニア語を使い続けたので、
シベリア送りにされてしまったとのことでした。

食事も安くておいしいし、ラトビアのリガでは、お尻の高さが私の肩位あるお嬢さん達が、
多いなと思ったら、案の定、今パリコレのモデル探しにスカウトが一番やってくる地なのだそうです。


ただ、二三ヶ月前のテレビでびっくりしたことに、今エストニアのエイズ患者が急増しているとのこと。
独立の結果、行き場を失ったロシア系の若者達が生活のめどが立ちにくく、
貧困→麻薬→注射針の回し打ちにするという図式だそうで、
ブラウン管に映し出された暗いうつろな瞳のロシア青年とほっぺをまっ赤にしたエストニア人のガイドの輝かしい顔とが重なって、
ため息をついてしまいました。どうして人間は、地球上、ゆづりあって、
異文化・異宗教認めあって仲良く暮らせないのかしら・・・。
生後三ヶ月になった初孫を抱きながら、どうぞ、君の人生に「戦争」がありませんようにと願っているこの頃です。

 この拙文を書き終えて、テレビをつけましたら、アメリカへの大規模テロ。何ということでしょうね!!!

 


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