Atelier Sagan
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エッセイ
「自分は自分の絵を見ることができるか」/柴村純一


 このような表題を掲げると「なに言ってんの?」と思われるかも、、、。

 昨日いいと思った絵が今日はよくないと思うなどという経験は誰でもあるだろう。視覚はゆらぐものであるからこのことはあたりまえのことだ。諸行無常は外界のみではなく、自分の内部でもまた然り。絵が変わったわけではなく自分の状態が変わったというわけだ。

 ところで自作に関しては冷静な判断が下せないのに、他人の作品に関しては即座に冷徹な判断が下せるのはなぜだろう。自らある意図を持ち工夫して制作したものだから、その道程に沿った考え以外は受け入れられないのかも知れない。その意味で自分は自作を冷静に見ることはむずかしい。

 ではどうすれば自作を冷静に判断することができるかというと、まず他人の作品に関心をもち、批評眼を養うことがひとつの方法である。比較的冷静になれる他人の作品に関心を持ち、わずかな変化でも見逃さないような鋭敏な眼を持たずして、どうして自作を冷静に判断することができよう。

 人間は自分のことをある程度知ってはいるだろうが「自分はなにをなしているか」ということを知らない、あるいは意識していないものなのではないだろうか。




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